闇バイト“リクルーター”の勧誘テクニックとは?
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「闇バイトになんか絶対に巻き込まれない!」。そう思っている人も、実際にリクルーター(募集役)に接触する機会を持つと、知らないうちに相手のペースに乗せられ、気がつくと特殊詐欺や強盗の実行役になっていた、ということもあるようです。
そこで今回は、闇バイトの実態調査を行ったトビラシステムズ株式会社の調査結果に基づき、闇バイト勧誘の“プロ”であるリクルーターたちがどのようにして犯罪の実行役を確保していくのか、その実態や特徴を闇バイト応募者との生々しいやり取りとともに紹介します。
これが闇バイト“リクルーター”と応募者とのリアルな会話だ!
以下は、トビラシステムズ株式会社が行った闇バイトの実態調査(2024年10月)で明らかとなった闇バイト勧誘の実例です。
調査では、闇バイト応募者に扮した調査員がまずSNSの闇バイト募集投稿に応募し、そこからメッセージアプリ(シグナル、テレグラムなど)に誘導され、さらにアプリでの通話に誘導されるというプロセスを追っています。
![本日夜働ける方 報酬25万~](https://www.kagaiboushi.metro.tokyo.lg.jp/wp-content/uploads/闇バイトリクルーターの勧誘テクニックとは?_img1.png)
![メッセージアプリの文章](https://www.kagaiboushi.metro.tokyo.lg.jp/wp-content/uploads/闇バイトリクルーターの勧誘テクニックとは?_img2.png)
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リクルーターと交わした会話の抜粋
(読みやすさを考慮し、言い回し、表現等を一部編集しています)
このように、少しずつ応募者の情報を引き出しながら、最初は犯罪を匂わせないようにハードルの低い仕事を紹介し、相手の反応を見ながらよりリスクの高い仕事を徐々に提示していき、最終的には身分証明書の提示を迫る、という流れが一般的です。
会話してみてわかったリクルーターの巧妙な勧誘の手口
調査員がメッセージや通話でのやり取りを通して感じた闇バイトリクルーターの「勧誘テクニック」は以下の通りです。
- ① 話し方はごく普通で“犯罪”を感じさせない
- ② 話のペースが速く、考える余裕を与えない
- ③ 相手の関心を引きながら、一方で安心感も与える
リクルーターの口調や態度は一般のバイト面接を受けている時のように淡々としており、威圧感はなく親しみやすい印象。会話を進める中で犯罪に関わるような話が出ても、ごく普通の「仕事」の説明を受けていると錯覚してしまうことも。
リクルーターは会話の主導権を握って、応募した理由、自宅の場所、免許や車の有無などを根掘り葉掘り聞きながら、次々と仕事の内容を提示していき、「明日できないか」と即断を迫るなど、じっくり考える暇を与えずに仕事を受けるよう仕向けていく。
「難しい仕事ではない」「楽に稼げる」といった言い方で相手を引き付けながら、「捕まらない」「自分たちが守るので大丈夫」など、安全な仕事であるかのようにアピールして、徐々に相手の心をつかんでいく。
- ① 話し方はごく普通で“犯罪”を感じさせない
- ② 話のペースが速く、考える余裕を与えない
- ③ 相手の関心を引きながら、一方で安心感も与える
リクルーターの口調や態度は一般のバイト面接を受けている時のように淡々としており、威圧感はなく親しみやすい印象。会話を進める中で犯罪に関わるような話が出ても、ごく普通の「仕事」の説明を受けていると錯覚してしまうことも。
リクルーターは会話の主導権を握って、応募した理由、自宅の場所、免許や車の有無などを根掘り葉掘り聞きながら、次々と仕事の内容を提示していき、「明日できないか」と即断を迫るなど、じっくり考える暇を与えずに仕事を受けるよう仕向けていく。
「難しい仕事ではない」「楽に稼げる」といった言い方で相手を引き付けながら、「捕まらない」「自分たちが守るので大丈夫」など、安全な仕事であるかのようにアピールして、徐々に相手の心をつかんでいく。
※上記内容は一例であり、全てのリクルーターの勧誘手口を網羅したものではありません。
リクルーターたちは、「悩み(借金がある、生活が苦しいなど)を解決してあげる」「リスク(逮捕されるのではないか)は心配しなくていい」と言葉巧みに応募者を勧誘し、犯罪へと引きずり込んでいくのです。
いつでも引き返せる! 勇気をもって警察に相談を
リクルーターが最終的に応募者に求めるのは、運転免許証などの身分証明書の提示です。ここで踏みとどまり、リクルーターとのつながりを断つことができるかが重要なポイントとなります。
ひとたび身分証を提示してしまうと、リクルーターの多くは豹変します。穏やかで親切そうだった口調は、脅迫的な態度に取って代わり、闇バイト応募者は「家に行く」「家族に危害を加える」と脅されて、犯罪行為の実行役へと追い込まれていきます。
でも、仮に身分証明書を提示してしまったとしても、決して諦めないでください。首都圏で闇バイトによる強盗事件が相次いでいることを受け、警察庁は令和6年10月18日から注意を促す動画を公開し、「警察は相談を受けたあなた(応募者)や、ご家族を確実に保護します」と呼びかけを始めました。
その結果、令和6年11月末までの約1カ月半の間で、各地の警察における保護件数は125件に上り、その対象となった7割が10~20代の若者であったとのことです。そして、危害が及ばないよう応募者本人だけでなくその家族も保護したケースがある等、警察により適切な保護措置が取られている現状です。
身分証明書を提示してしまい犯罪への加担を強要されたとしても、また、何らかの形で犯罪に手を染めてしまっても、いつでも引き返せるチャンスはあります。勇気をもって警察に相談をしてください。