NEW闇バイトを見抜くには、「求人を見る目」を養うことが大切

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「短時間で高収入」「誰でも簡単」「即日現金」―
SNSやネット上で、こうした言葉を目にしたことがある人も多いのではないでしょうか。近年、知らないうちに犯罪に加担してしまう若者が後を絶ちません。仕事の中身やリスクを十分に知らされないまま、いわゆる「闇バイト」に巻き込まれています。 都内のハローワークを所管し、日頃から若者の就労支援や雇用の安全確保に取り組む東京労働局の職業安定部 職業安定課に求人情報を探す際に意識しておきたいポイントについて話しをお伺いしました。

ポイント

・ハローワークでは求人が無条件に掲載されない。
・求人の相場観を確認(「職業情報提供サイト(job tag)」https://shigoto.mhlw.go.jp/User/)
・仕事探しは一人で悩まず相談できる相手を
・求人を見る目を養い、自分を守る

なぜ闇バイトは、ハローワークに載らないのか

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まず知っておきたいのは、公的な職業紹介機関であるハローワークでは、求人が無条件に掲載されるわけではないという点です。東京都内のハローワークでは、年間約85万件の求人を取り扱っていますが、その一件一件について、職員が内容を確認したうえで受理しています。求人票には、事業所名や所在地、(採用)担当者の連絡先(電話番号)、仕事内容、就業場所、賃金など、労働条件に関する詳細な記載が求められ、記載漏れや不明確な点があれば、そのまま掲載されることはありません。
 
同局の担当者は、特に事業の実態が本当に存在しているかどうかを重視しているといいます。初めて求人を出す事業所の場合、事業内容や会社の特徴、雇用保険の適用状況などを確認し、必要に応じて職員が事業所を訪問して実態を確かめることもあります。また、職業安定法に基づき、法令違反がある求人や、通常の労働条件と比べて著しく不適当と認められる条件の求人は、そもそも受理されません。一方、闇バイトの多くは、こうしたチェックを避けるために、SNSのダイレクトメッセージや匿名性の高い掲示板などを使って人を集めることが多くあります。「なぜこの仕事は、ハローワークや大手求人サイトに載っていないのか」という視点を持つことは、闇バイトを見抜くための重要な手がかりになります。

「高すぎる時給」は危険信号

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闇バイトの特徴として多く挙げられるのが、相場とかけ離れた高額な報酬です。
「時給5,000円」「1日で数万円稼げる」といった条件を見ると、生活費や将来への不安を抱えているときほど、心が揺れてしまうこともあります。しかし、同局の担当者によれば、労働市場では賃金には基本的な考え方があるといいます。仕事内容の難易度、必要なスキルや経験、資格の有無、責任の重さなど、さまざまな要素を踏まえて設定されているのです。報酬が高い仕事の多くは、特別な資格や高度な専門性が求められます。
 
逆に言えば、「誰でもできる」「未経験歓迎」と説明されているにもかかわらず、相場より極端に高い報酬が提示されている場合には注意が必要です。その高い賃金に、どのような理由があるのかを確認せずに応募してしまうことは、大きなリスクにつながります。都内のハローワークでは、職種ごとの平均賃金などのデータも参考にしながら、求人内容が相場から著しく乖離していないかを確認しています。
 
仕事を探す側も、こうした相場観を自分で持つことが大切です。その際に役立つのが、厚生労働省が運営する「職業情報提供サイト(job tag)」https://shigoto.mhlw.go.jp/User/です。このサイトでは、職種ごとに仕事内容の概要だけでなく、必要なスキルや資格、そして賃金の相場が掲載されています。「この仕事は、だいたいどれくらいの給与水準なのか」を事前に調べておくことで、あまりにも条件が良すぎる求人に対して、「何かおかしい」と立ち止まることができます。
 
「高いから魅力的」ではなく、「高い理由が説明できるか」という視点を持つことが、身を守る第一歩です。

相談できる相手を持つことが、危険な仕事から自分を守る鍵

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闇バイトに巻き込まれてしまう若者の多くに共通するのが、一人で仕事探しをしているという点です。学校を卒業したあとや、仕事を辞めた直後など、社会との接点が少なくなる時期には正しい情報が入りにくくなります。生活費への不安から、「条件がいい仕事」に目が向きやすくなり、仕事内容を十分に確認しないまま応募してしまうケースもあります。
 
同局の担当者は、「一人で悩まず、相談できる相手を持つこと」がリスクを避ける大きなポイントだと話します。ハローワークでは、求人票の読み方や、仕事内容と賃金のバランス、社会保険など、基本的なことから相談できます。特に34歳以下を対象とした「わかものハローワーク」では、担当者がマンツーマンで就職活動を支援し、必要に応じてセミナーや職業理解のサポートも行っています。「こんなことを聞いていいのかな」と思うような疑問こそ、早めに相談することが大切です。
ハローワークでは現在、窓口での対面相談だけでなく、インターネットを通じた受付やオンライン相談にも対応していて、対面とオンラインを組み合わせた「ハイブリッド型」の就労支援も行われています。まずはオンラインで気軽に相談し、必要に応じて対面でじっくり話す、といった使い方も可能です。
 
自分一人で考えていると気づきにくい点も、他人の目を通して振り返ることで、リスクがはっきり見えてくることがあります。就職活動を誰かと一緒に確認することは、結果として自分を守るために非常に効果的な手段です。

求人を見る目を養うことが、自分を守る力に

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闇バイトを避けるために、特別な知識や経験が必要なわけではありません。大切なのは、求人を比較し、考える習慣を身につけることです。
 
まず意識したいのは、たくさんの求人票を見ること。複数の求人を見比べることで、「この職種では、これくらいの条件が一般的なのか」という相場観が自然と身についていきます。そのうえで、「自分にとって譲れない条件は何か」を整理することも重要です。勤務地なのか、勤務時間なのか、雇用形態なのか。条件を意識しながら求人を見ていくと、「この条件はよくある」「これは少し特殊だ」といった違いにも気づきやすくなります。
 
仕事内容が具体的に書かれているか、雇用形態がはっきりしているか、条件の説明があいまいになっていないか―こうした点を一つひとつ確認する姿勢が、「求人を見る目」を育てます。ハローワークでは、求人の紹介だけでなく、こうした見方を身につけるための支援も行っています。大きく踏み外さないためのセーフティネットとして、相談できる場所があることを、ぜひ覚えておいてください。
 
闇バイトを見抜く力は、あなた自身の将来を守る力です。求人を見る目を養い、安心して働ける一歩を踏み出しましょう。

 

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